初夏の白い花 


5月も末になりました。初夏に咲いている白い花を撮りました。

近くに図書館があってそのとなりに運動公園がありますが、そこに白い花が咲いていました。近寄ってみるとイボタノキでした。1本だけ植えられていました。


イボタノキ(水蝋樹)   モクセイ科 イボタノキ属   落葉低木 



イボタノキ 2015 5 21 和地山 004 花 f


木陰に植えられていたので光の加減が難しくうまく撮れなかったです。写真より実際の花は白く清楚です。葯は黄色で後褐色に変わります。
葉は楕円形で先端が丸いですがわずかな突起があります。これが特徴的です。花が咲いていなくてもイボタノキかなとわかります。

木に寄生するイボタロウムシの雄の幼虫が蝋を分泌し、合成されるパラフィンが使われる前は蝋として有益だったらしい。蝋燭とか、あるいは引き戸や襖・障子の滑りを良くするために使われていたそうです。





ちょっと近づいて

イボタノキ 2015 5 21 和地山 007 花 a


花は筒状漏斗型ですが先端は4つに分かれています。
花の長さは1cm弱です。





もっと近づいて

イボタノキ 2015 5 21 和地山 023 花 e

黄色の葯のオシベは2本、メシベは短くて隠れていて見えません。実際に見たときより花弁が肉厚ですねぇ。この写真も花の白い美しさが表現できていなくて残念です。




トキワツユクサ(常盤露草)  別名 のハカタカラクサ(野博多唐草)   
                   ツユクサ科 ムラサキツユクサ属
                   帰化植物  南米原産 昭和初期に観賞用として輸入され後野生化

トキワツユクサ 2015 5 17 095 花二つ

葉が夏に青い花を咲かせるツユクサに似ています。
木陰などのやや湿った土地によく群生しています。3つの花弁の白い花が目立ちます。





近寄って

トキワツユクサ 2015 5 17 109 ひげ a

葯がオレンジ色をしていてキノコのようにも見えます。
ひげがたくさんありますがオシベに付随しているもののようです。どういう役目なのかわかりせん。
ひげに縞模様が見えますが一つ一つの細胞がつながっているものだそうです。大きい!細胞が肉眼でも見えるんだぁ。去年も撮りましたが気が付かなかった^^;
昔中学のとき理科で顕微鏡を使った細胞の観察に玉ねぎの薄皮を使いましたが、このひげも細胞の原形質流動の観察に使われるそうです。

紫色のムラサキツユクサもこのようなひげがあるようですね。





ハコネウツギ(箱根空木)   スイカズラ科 タニウツギ属   落葉低木

ハコネウツギ 2015 5 17 005 白二つ a  
恐らくハコネウツギだろうと思います。ニシキウツギ(二色空木)というのがあってよく似ていそうなのですがニシキツツギは山に多くみられる木で白色というより淡黄色だそうなので、この写真の花はハコネウツギだと判断しますが確定ではありません。

時間が経つにつれて赤色に変化するのもハコネウツギもニシキウツギも同様だそうです。この写真にも二つの白い花の下にかげになって分かりにくいですけど赤い花が見えています。

箱根にはハコネウツギはあまり生えていなくてニシキウツギが多いそうです。

同じスイカズラ属にスイカズラ(ニンドウ)という花がありますが、これも咲いてから花色が変化します。白から黄色へと変わりキンギンカ(金銀花)という別名が付いています。花色が変化するのは案外多いのかもしれませんね。





ピンクから赤色に

ハコネウツギ 2015 5 17 002 紅白 a 



 「花の色は移りにけりないたずらに・・・」と小野小町が詠んでいますけれど、この花は何の花でしょうか。ただ「移る」は実際に花の色が変化するということでなくて「褪せる」という意味のようですね。









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センダン


近くの小さい川沿いにはセンダンの木が幼木を含めて多く見られます。栽植されたものと自生したものとがあります。繁殖力が強い木のようです。


センダン(栴檀)     センダン科 センダン属   落葉高木

センダン  2015 5 17 089  遠景 a 

佐鳴湖の北公園に植えられているセンダンです。大木です。
花をたくさん付けているのですけど写真の撮り方が下手でよく見えません。でもセンダンの木の樹形が美しいのがお分かりになると思います。






花いっぱい

センダン 2015 5 17 058 中景 a

この木は上の写真のものとは別の木で、近くの小さい川の土手沿いに生えている木です。上の木ほど大きくはありませんが、目の前に花が咲いているので写真を撮るのに好都合な木です。





近寄って

センダン 2015 5 17 041 近景 a 





もっと近寄って

センダン 2015 5 17 037 近景 b 





花の真上からマクロで

センダン 2015 5 17 046 マクロ a


紫色のものは合着した筒状のオシベの外側です。黄色は葯です。真ん中奥にメシベが見えています。花弁の先端がやや紫色となっています。
もう少し花弁の幅が広ければ花はもっと華やかになるかなと思いますが。








新葉 + 虫一匹


キボシツツハムシ 2015 5 6 032 明 a

新葉もツヤがあって緑がきれいです。
虫はキボシツツハムシ(黄星筒葉虫)です。名前は東京昆虫館・画像掲示板で教えていただきました。ありがとうございました。最初テントウムシの仲間と勘違いしました(^^ゞ
左の触覚が取れてなくなっているようですね。





つぼみ


センダン 2015 5 6 030 つぼみ a


新緑+虫の写真とこの写真は5月6日撮影です。他の写真は5月17日の撮影です。
蕾の紫がとてもきれいでした。




「新しい生活」   その15


          新しい生活

          
その15 

僕が貰ったマイ・ボックスは簡単に見つけることができた。ある建物の5階だった。エレベーターはないので階段を登っていった。ここは『平穏の郷』、つまり『地上』の人からすれば『あの世』、だからここにいる人は全員死者だ。みんな肉体は滅びてしまっているのだ。だから滅びた肉体の重さを感じることはなくて、5階を登るのは容易だった。まったく疲れなかった。10階でも20階でも登れそうだ。

5階のフロアの真ん中辺りに僕のマイ・ボックス17があった。どのマイ・ボックスも同じ作りなので番号がなければ当然不自由するだろう。横が5m奥行きが3mほどの広さでテーブルと簡単な棚と小さなクローゼットがあるだけだった。テーブルは案外大きくてキッチン・テーブルほどの大きさはあるようだけど椅子は2脚だけだった。椅子の座り心地は良くて長い時間座っていられそうだ。ここに来てようやく落ち着いた気持ちになれた。これまでのことを頭の中で整理しようとしたけどどんよりしたものが頭の中を支配しているようで億劫だ。体は疲れることはなくても新しい生活に早く慣れようとして精神的にはかなり疲れてしまったようなのだ。そのまましばらく座っていたけど、どうやらいつのまにか眠ってしまったようだ。

ふと目覚めて、僕は今どこにいるのかしばらくわからなかった。どこだったっけ・・・。そうだ、マイ・ボックスに来てこの椅子に座ってそのまま眠ってしまったんだ。どのくらい眠っていたのか時計がないのでまったく分からない。しかしおかしいなぁ、ここでは食事も睡眠も必要がないって聞いていたのになぜ眠ってしまったのだろう。


やはり『地上』のことも気になる。当たり前だな。僕の葬式はもう済んだのだろうか。妻は今どうしているのだろうか。僕が突然事故で死んでしまったので半ば放心状態ではないだろうか。僕の親たちとうまくやっているのだろうか。妻と母親との仲が良いとは言えなかったので僕は気苦労していたけど。結局実家に帰ることになるかもしれないな。父親は病気だったけど具合はどうなんだろうか。

会社のほうはどうなっているだろうか。仕事は僕がいなくなったから滞ってるんではないだろうか。いろいろなことで困っているんではないだろうか。あるいは僕がいなくても何事もなかったのごとくなのだろうか。退職者が会社のことを心配しても実は当人がいなくても仕事は円滑に進んでいるということをよく耳にしたけどそういう場合と同じことかもしれない。



たしかにビデオ室で僕の家の中とかを覗きたくもなるけど、見たところでどうにでもならないだろうし、実はこうなっているということを知ったところで死者の僕には何もできることはない。まさか幽霊になるなんてこともできないだろうしな。そんなこと説明会ではなかったし。怖がられてもいやだからね。

生者がいくら自分の死後のことを考えてもしようがないのと同じように、死者が遺してきた生者のことをいくら考えてもせんかたないことだ、と僕は自分に言い聞かせた。


図書館で借りてきた藤沢周平の小説を読んでみようか。

         続く


 

ブタナ


佐鳴湖の北岸公園でブタナを見かけました。

新しく造成した湖岸堤の緩やかな斜面に群生というほどではありませんけどたくさん咲いていました。
 

ブタナ(豚菜)  別名  タンポポモドキ    キク科 エゾコウゾリナ属  多年草 
                            帰化植物  ヨーロッパ原産  昭和初期に渡来


ブタナ 2015 5 7 085 群生 
見た瞬間、これはブタナだってわかりました。以前ここ浜松に来る前に仙台におりましたけれど、そのとき幹線道路の両脇の緩やかな斜面一面を覆いつくすように咲いていたブタナを思い出しました。





上から見て

ブタナ 2015 5 7 091 上から

タンポポに似ています。だから別名はタンポポモドキです。花径は3cmほどです。
花は舌状花のみです。






横から見て

ブタナ 2015 5 7 086 横から 
総苞片に一列の毛が並んでいます。





下から見て

ブタナ 2015 5 7 094 下から 
黄色と赤紫とのグラデーションがきれいだと思います。





花茎の葉は鱗片状


ブタナ 2015 5 7 098 茎 鱗片葉  
少しわかりにくいですけど花茎の葉は退化して鱗状に残っているだけです。




根元付近

ブタナ 2015 5 7 095 根元付近 
葉は根元付近の根生葉のみです。形は大根の葉に似ています。花茎が上に伸びていますが途中で枝分かれしています。タンポポはこのように枝分かれしないようです。
花茎は50cmぐらいはあって花の位置は高く、宙に浮かんでいるように見えてそのことも魅力的です。タンポポはせいぜい30cmほど。




根生葉 表

ブタナ 2015 5 7 096 根生葉 表 
大根の葉のような形で短い毛がたくさん生えていて、触るとゴワゴワした感じです。





根生葉 裏

ブタナ 2015 5 7 097 根生葉 裏 
軸に沿って剛毛が生えています。




なぜ「ブタナ」なのか。「豚」なんてひどい!と思う方も多いかもしれませんね。
でもフランス語の Salada de porc (豚のサラダ)の訳だそうで、豚のえさ(豚が好んで食べる?)ということであればそれほどひどい命名でもないように僕は思いますがどうでしょう。
一般的な「豚」のあまり良くないイメージはこの「ブタナ」には含まれていないようです。フランス語をまったく知らないのでよくわかりませんけど。
豚のイメージは良い印象とか美的なものはないようですね。下卑た言い方には「この豚野郎」というのがありますし、「豚もおだてりゃ木に登る」なんていうのもちょっと豚を小ばかにした言い方ですし、「豚に真珠」も豚が無知とか無教養を象徴しているようですね。
「動物農場」という小説がありますが、ウィキペデイアからの引用ですけど
人間の農場主が動物たちの利益を搾取していることに気づいた「荘園牧場」の動物たちが、偶発的に起こった革命で人間を追い出し、「」の指導の下で「動物主義」に基づく「動物農場」をつくりあげる。動物たちの仲間社会で安定を得た彼らであったが、不和や争いが絶えず、最後は理解できない混乱と恐怖に陥っていく。結果的に支配者が入れ替わっただけで、人間が支配していた時以上に抑圧的で過酷な農場となる。
しかし前述したように「ブタナ」にはこのような豚の悪いイメージはないと考えていいのではないかと思います。
ブタクサという雑草もあります。これも英名の hog weed の訳だそうですけど、なぜそう名づけられたかの理由は知りません。
「犬」がついた植物名はたくさんあって、多くが「役に立たない」とか「食べられない」などのネガティブな意味合いで使われています。犬もちょっとかわいそうかな。

先日公園で散歩していたペットとしての豚の写真をアップしましたが、豚はどう思っているでしょうか?「ブーブー」ってブーイングしてるのかも・・・。




  コメント欄閉じさせていただいてますm(_ _)m



ノバラ


今日は野ばらを特にアップしてみました。野ばら(野薔薇、あるいは野茨)。
 
 童は見たり野なかのば~ら  ♪


バラ、ばら、薔薇。

でも元々はイバラ、いばら、茨。 その「イ」がなくなって「バラ」 

イバラはその刺を連想しますが、バラはそういうことがありません。

   川原への道 野茨の花の道       青柳志解樹
  


ノバラの英名は"Multiflora Rose" 直訳的には「たくさんの花をつけるバラ」ということになるのでしょうか?。


ノバラ(野薔薇)  あるいはノイバラ(野茨)   バラ科 バラ属   落葉低木  在来種

ノバラ 2015 5 6 045 a 
川岸沿いに。水面に垂れ下がるごとく咲いています。たしかにたくさんの花が咲いています。




ズームをきかせて

ノバラ 2015 5 6 035 b 
陽射しも強かったですけど、光の反射率が高いのでしょうか花弁の白さも強いです。




別の所で、近寄って。 花四つ  

ノバラ 2015 5 7 017 花四つ 





花二つ + 虫一匹

ノバラ 2015 5 7 022 花二つ b 





花一つ

ノバラ 2015 5 7 018 花一つ  b







 さらに別の所で

ノバラとトキワサンザシ  2015 5 6 022 
小さい花のほうはトキワサンザシです。




 コメント欄閉じさせていただいています。


コバンソウ


少し離れたところにあるこの辺りの氏神様の神社の門付近のちょっとした空き地にコバンソウが群生しています。神社の人が雑草扱いせずに草刈せずにおいてあるようで毎年見ることができます。


コンバンソウ(小判草)  別名 タワラムギ(俵麦)   イネ科 コバンソウ属  
                帰化植物 明治時代に観賞用として輸入され、後野生化

コバンソウ 2015 5 5 009 遠景 a    




少し近寄って

コバンソウ 2015 5 7 128 中景 c 






さらに近寄って

コバンソウ 2015 5 016 近景 a

小穂は長さ1~2cmほど。ごく細い柄から垂れ下がっています。こんな細い柄からよく養分が送り込まれるなぁと思います。薄緑色。表面に短い毛が密生していますがツヤもあり、遠めではそのツヤが目立ちます。
一つの小穂は10個以上の小花からなっています。一番上の1対は苞穎で小花ではありません。小花の緑色の筋がはっきり見えています。




側面を見ると

コバンソウ 2015 5 8 031 葯 外 a


小花と小花の重なりのすきまからバナナのような形の黄色っぽい葯がいくつか顔を出しています。おそらく花粉は出て行ってしまった後だと思います。





一つの小花を取り出してみますと

コバンソウ 2015 5 8 026 柱頭と葯 d 

二つの葯と二本の細長い白い毛のような柱頭があります。
大きい薄緑色の卵型は護穎です。緑の筋があり、半透明で緑の台紙がなかば透けて見えています。真ん中の護穎の半分ぐらいの大きさの白っぽい卵型は内穎で、子房が護穎と内穎の間にありますが内穎に隠れていてこの写真では見えてません。




葉舌

コバンソウ 2015 5 5 021 葉舌 a


イネ科の場合にはいつも載せている葉舌です。葉舌は長めで5mmぐらいあり、半透明の膜質です。葉舌は分かりにくいことが多いですけど、コバンソウの場合はとてもわかりやすい葉舌です。




襖を背景にちょっとアート風に撮ってみました。

コバンソウ 2015 5 8 016 花序  a 
垂れ下がった様子が面白いのでドライフラワーとしても部屋などに飾られたりしますし、あるいは玄関とか庭に植えられていたりします。さすが最初は観賞用として栽培されたわけですよね。


なお良く間違われるのがヒメコバンソウですけど、ヒメコバンソウの小穂は長さが5mmあるかないかという程度で、また数もコバンソウよりたくさんつきます。ヒメコバンソウは風でゆれてチラチラする感じがします。




ただいまコメント欄を閉じさせてもらってます。あしからずご了承ください。




浜松祭り 



5月の連休は浜松祭りでした。海岸では有名な凧揚げがありましたし、御殿屋台(だし)が街中を練り歩きました。といっても両方とも僕はパスでしたけど・・・。残念。

しかし近所でも町内の練り(練り歩き)が行われました。ラッパを吹き、小太鼓を叩き、呼子を鳴らしながら住宅街を回ります。
初めての子(初子)が生まれた家の前ではその誕生を祝っていました。家内の妹の息子に初子が去年授かり、今年祝ってもらいました。そのときの一部の様子を動画(デジカメの動画モード)を撮りましたのでアップします。

奥さんが初子を抱き肩車されて、そのまわりを練り子がまわり、万歳を三唱しました。



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日を違えて、家の前の道を封鎖しビニルシートを敷いて練り子たちのための宴会でした。次から次へと酒・ビール、料理が出されていましたねぇ。ちょっとすごいなぁ。


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お祭りにはつきものの踊りこそありませんが、静かな住宅街にしては夜中まで続いた賑やかなお祭りでした。浜松に来て3年あまりですけど、その土地その土地のお祭りがあるんですね。なお掛け声は「ヨイショ」ではなくて「オイショ」と言ってます。


左手の方に酒樽が鎮座してます。見かけは4斗樽ですが本当は4斗/2斗上げ底といって内容量は2斗だそうです(ばらしていいのかな^^;)



ただいまコメント欄を閉じております。ご了承ください。



「新しい生活」   その14



          新しい生活

           その14


「もしこのマイ・ボックスを使いたければ『相談室』に行けばいいよ。受け付けてくれるよ。あなた方どうですか? 使いたい?」
「そうだなぁ、申し込んでもいいような気がするなぁ」 と僕が言った。
「私は今のところまだという感じですけど」 と川上さんが言った。
「まぁ、当然『地上』のように使用料だとか賃貸料とか、期限なんていうことはないから気楽に考えていいよ」

「じゃ、ま、この辺で案内ツァーはひとまずおしまい、ということでいいよね。あと図書館とかコンサートホールとかあるけどわしが君たちを案内するというほどでもないようだしね」
「どうもありがとうございました」 僕たちがお礼を言った。
「わしはさっきのカフェに戻るかな。だいたいはあのカフェにいるから何か聞きたいことあったら遠慮なく来なさい」
「今から僕はどうしようかなぁ。図書館に行ってみたいような」
「遠藤さんは図書館?いいですねぇ。でも私はちょっと休みたいです。体が疲れたというわけではないのですが、なんだか新しいことばかりで頭がぼーってしてるようで」
「そりゃ、そうです。当然だよ。ここに来た人たちは大体がボケーッてしてるもんね(笑)」 川端さんが言った。
「『集会所のような所』に行こうかな」 と川上さんが言った。
「そう、そこがいいでしょ。それで君のほうは図書館ね。 図書館は、受付のある建物の裏にある。すぐわかるよ。いかにも図書館っていう建物だしね」
「じゃここで一旦解散!ということで(笑)」 川端さんが言った。
「どうもありがとうございました。」 僕と川上さんが言った。
「じゃあね」


二人と別れて僕は図書館へと向かった。図書館はレンガ造り風で落ち着いた雰囲気のある建物だったが窓がなかった。とにかくここの建物はどれもこれも窓がないようだ。中に入るとカウンターには女性係り員が二人座っていた。思ったより広い館内にはちらほらと人がいた。とにかくひまなんだから本でも読まないと退屈だろう。藤沢周平あたりの時代小説なんかが適当かなと思って棚を探すと藤沢周平全集がズラァっと並んでいた。時間はたっぷりあるのだ。飽きがこなければ全部読めるだろう。とりあえず第1巻、第2巻の2冊を借りることにした。受付で貰ったIDカードで貸し出し処理がすぐできた。返却期限は3週間だ。

マイ・ボックスを使いたかったので相談室にも行ってみた。応対してくれる相談員は小川さんではなかったけれど親切に説明をしてくれた。IDカードの提示を求められた。相談員は空きのマイ・ボックスのいくつかを示してくれた。僕はどれでもよかったので適当に選んだ。建物の番号はF53、マイ・ボックスの番号は17だった。相談員は地図にその場所に印をつけて渡してくれた。「ご一緒してご案内もできますが」と言ってくれたが一人で行けそうなので断って礼を言って相談室を出て選んだマイ・ボックスへ向かった。

          つづく





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プロフィール

ゆたか

Author:ゆたか
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72歳 男 浜松市在住
病身なので更新は時々です。
なお植物の写真を載せていますがとにかく素人なので植物の名前は正確とは言えません。
小説も書くこともあります。
よろしくお願いいたします。

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