「新しい生活」     その17

      

        インターミッション

 最近更新が間遠になりつつあります。  体のあちこちが痛むとか、他の事情もありましてなかなかPCに向かうことができず、皆様のブログの訪問もおろそかになってしまってます。

しかし「新しい生活」はなんだかまだまだ続きそうでミニ小説とは言えなくなっているようで、自分でも少々驚いています。書き始めたころはせいぜい10回ぐらいかなぁ、と思っておりました。あまりエンターテイメント性のない面白みもなく、申し訳ないような気もしますが、支援のお言葉も頂いているようですしうれしく思います。それを励みに今後もよろしくおねがいします。               




         
新しい生活

           その17


「枯れちゃう、のですか」
「そう、枯れちゃうのね。死ぬということは肉体が滅びるってことなんだけどでもここでは魂は残っているのよね。つまり心とか精神とかいうのはまだここでは死んではないのよ」
「はぁ、そうですねぇ・・・」
「私がここに来る前に主人が先に来ていて、どこにいるかわからなかったけど、主人を探し出してね、一緒にマイ・ボックスで暮してたの。そうねぇ、数年間だったかな、一緒だったんだけど、『地上』にいたときとは違ってさ、共に食事をすることもなく、TVを見ないし、ショッピングに行くでもなく、旅行に行くでもなく・・・。でも主人は生前から絵を描いていたの。プロの画家ではなかったけど、何かのコンクールというのかな入選したこともあったの。だからここに来てからもしばらくは絵を描いていたのね。

でもね、ここには山とか海とか花とかがないでしょ。空もない。つまり自然がないのよ。人を描こうにもここの人なんだか生気がないし、年寄りが殆どだから当然かもね。何を描いても面白くなくなってしまったのね。だんだん描かなくなって、イーゼルの前で絵筆を持ったままじっとしてることが多くなって、初めのころは声をかけたら返事はしたけど、そのうち返事もしなくなって、じっと身じろぎもしないで彫像のようになってしまったの・・・。つまり枯れてしまったのね」
「そうなんんですか」
「そしたらね、係りの人が来て主人を運んで行ってしまったの」
「運んで行った? どこにですか?」
「枯れた人は体とか衣服を返すの。借り物なのよ。だからまず『返却室』に運んだの」

「そしてねIDカードと形見になるような何か一つ、例えば主人の場合は絵筆1本とそれと写真を『ケース』に収めるのよ」
「はぁ」
「『霊安館』というとこがあるんだけど『ケース』は他の方のも一緒にそこにおいてあるの。ま、魂のお墓よね」
「・・・」
「それでお終い。主人のすべての、ほんとうの人生がお終い」

「ほんとうに不老不死ならここには平安時代とか江戸時代の人とかいるはずでしょ?でもいないわよね。私は見たことないけど明治の人は何人かいるそうだけど。わずかの人だわよね」
「枯れてしまうから長くはいない?」
「そう、そうなのよ。みんな順に枯れていくの。ここに来てせいぜい数十年ね。まぁ自然のままの老衰、大往生かしらね」

    続く


               

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マテバシイ


イボタノキの花を先日といっても5月でしたけどアップしましたが、その同じ運動公園にマテバシイも植えられています。6月初めですが花が咲いていました。もうかなり前ですけどあまり季節感の強い花ではないので今アップしてもいいかなぁ、って納得しています(自分だけ(笑))

マテバシイ(馬刀葉椎、あるいは全手葉椎)  ブナ科 マテバシイ属  常緑高木  暖地性

マテバシイ 2015 6 1 004 遠景 b

花は黄褐色ですが、もう少し黄色が強ければ黄金色といえるのですけど惜しいです。なんとなく幹の右側左側のほうが茂っていてアンバランスですけど。後ろの緑の強い樹はヒマラヤスギです。





近寄って

マテバシイ 2015 5 28 023 中景 b

もう満開です。といってもあまり気に止める人は少ないかな。






もっと近寄って

マテバシイ 2015 6 1 006 近景 a

殆どが雄花です(穂状)。オシベが長くてブラシ状です)。奥のほうに雌花穂が少しだけ見えていますが分かりにくいですね。先に雄花が成熟してその後から雌花が熟して、自家受粉とならないようになっています。






雄花穂

マテバシイ 2015 5 28 047 雄花






雌花穂

マテバシイ 2015 6 1 016 雌花穂 c  
雄花穂に比べると花数が少ないです。メシベも短いかも。





若い実 

マテバシイ 2015 6 1 017 去年実 c 
え? もう実が??
じつはこれは去年の雌花の若い実なんです(1年経ってますが)。マテバシイは1年半かけて実が熟します。
今年の花が終わってこれから今年の実が育ちますが、今年の実は成長はほとんどありません。
去年の実がこれから大きくなって秋に熟します。意外です。なぜこのようになっているのか不明です(未調査)です。




マテバシイの名前は少々変わっていますね。何となくですけどそこはかとなくユーモラスを僕は感じます。

    マテバシイ 諦めるのは まてしばし    ゆたか

 ↑の句はなんなんでしょうねぇ。戯れ句かな(笑)


名前の由来はよくわからないようです。それらしい説明は2、3あるようですけどね。あまり由来は追及してもわからないことが多いようです。漢字では「馬刀葉椎」とか「全手葉椎」と書くらしいですがそれもよくわからないようですね。
僕のHNの「ゆたか」も自分でもよくわからんです^^;








クチナシ


先日イボタノキの花をアップしましたがそのイボタノキと同じ公園でクチナシが咲いていました。白い花がやや木陰のような場所できれいに目立っていました。なお撮影は2週間ほど前です。アップが遅くなってしまいました。

クチナシ(梔子)   アカネ科 クチナシ属  

クチナシ 2015 6 1 029 遠景

もう少し上手に撮れたらなぁ、っていつも思います。上達しませんねぇ。





近づいて

クチナシ 2015 6 1 049 中景 






アップで

クチナシ 2015 6 1 037 近景 めしべ 

花弁が開いてすぐの時期の花です。中央は黄緑色のメシベの花柱で、5本のひも状のオシベが放射状に伸びています。クチナシは自家受粉の花で、開花時にオシベの花粉がメシベに付着し、開花後はオシベはしおれてしまいます。見えているひも状のオシベは用済みのしおれつつある姿です。
小さい黒い点のようなのは虫ですが、蟻ではないようです。
芳香がするはずなのですが今回はうっかりして確認できませんでした。けれども今まで過去に見たクチナシの花は濃厚な香りがしていました。

自家受粉なのに、つまり受粉を虫に頼らないのに、なぜ白い目立つ花弁があり、また芳香があるのでしょうねぇ。虫を呼んでいるわけですけど、必要がないんじゃないのかなぁ。わかりませんねぇ。




もう1枚

クチナシ 2015 6 1 032 虫

メシベの花柱も無くなった状態の花です。
虫は恐らくカマキリの幼虫で、小さい点状の虫を食べてきているのかもしれません。
「クチナシ」の名前の由来は熟した実の先端が裂開しない、つまり口を開けないのでということらしいですが、他にも説がありはっきりしません。





  クチナシの声を聴きたい花姿    ゆたか

    

むかぁ~し(笑)、渡哲也が歌っていました。
 
  くちなしの白い花 おまえのような 花だった ♪

     (水木かおる 作詞   遠藤実 作曲)

   







テイカカズラ

 
久しぶりに更新できました。今日はテイカカズラです。近くの林縁のスギの若木に絡まって咲いていました。


テイカカズラ(定家葛)  別名 マサキノカズラ  キョウチクトウ科 テイカカズラ属   つる性常緑低木


テイカカズラ 2015 5 29 002 a

やや一番良い時期より遅かったようです。針葉樹はスギだと思います。若いつやのある形のいい葉はテイカカズラの葉です。

「定家」とは鎌倉時代の歌人藤原定家のことで、式子内親王を愛し、親王の死後その墓に絡みつき花を咲かせたということらしいのです。しかしこういう話には僕はいつもほんとうかなぁと懐疑的になります。話としては良くできているようなんですし、このカズラの名前も格の高さを感じさせてなかなかいい名前かなと思いますが・・・。




花三つ

テイカカズラ 2015 5 29 011 花三つ b 

中心部は黄色で花弁は白く、プロペラ状です。プロペラ状なのはキョウチクトウもそういう花ですよね。
中心の黒っぽい星型も特徴的です。
全体に毒があるのもキョウチクトウと同様で注意が必要とのことです。





花二つ

テイカカズラ 2015 5 29 004 花二つ a



撮影はだいぶ前の5月29日です。








「新しい生活」   その16



          新しい生活

           その16

藤沢周平全集を読み始めてかなり時間が経ったころ僕のマイ・ボックスの入り口で声がした。
「ごめんなさい。ちょっといいかしら」

見るとかなりの年配の女性が立っていた。
「ちょっと入らせてもらってもいい?」
「あ、いえ、もちろんいいですよ。どうぞ、どうぞ」
僕は少々戸惑った。まさか訪問者が来るとは思わなかった。

「どうぞ」 と言いながら椅子を勧めた。
「ほんとにいいのかしら。お邪魔じゃない?」
「いえ、そんなことないです。退屈だったので時間つぶしに読んでいただけですから」
「そぉお? すまないわね。何読んでたの?」
「藤沢周平です」
「藤沢周平?。私も知ってるわよ。読んだことないけど名前は知ってるわよ。時代小説よね。貴方読書家なのね」
「ま、読書家と言うほどでもないのですが。本を読むのは好きですね」
「頭いいのね」
「そんなことないです」 僕は苦笑した。

「私、隣のマイ・ボックスにいるの。河野です。よろしくね」
「僕は遠藤といいます。よろしくお願いします」

「貴方いつここに来たの?」
「いつって、時計もないし、カレンダーもないし、わからないんです。今日なのかもしれないし、もう2,3日経っているのかもしれないし」
「IDカード持ってるわよね。見てみて」
「IDカードですか。えーと。あ、ここにあります」
「ちょっと拝見ね。JH290511-・・・。だから貴方がここに来たのが5月11日。今日は5月13日だから3日目よ」
「え~! 3日も経ったんだ。そうなんだ。全然わかんない」
「しかたないわよ。私もわからないの、でも毎日というか、ちょくちょく相談室なんかに行って確かめてんのよ」
「へぇ~、そうなんですか。おばさんはここに来てどのくらいなんですか?」
「おばさんだなんて(笑)。おばあさんでいいのよ、ここに来たとき83だったから。ここではそのときの年のまんまなの。何年経とうとね。私はもう17年ここにいるけどさ。83のまんま」
「そのお年には見えませんね」
「ほほほほ、ありがと。ここでは私のような年寄りが多数派。貴方のように若い方は少数派」

「17年もいて退屈しませんか?」
「もちろん退屈するわよ。何かする義務がないものね。でもね、何かに興味がある人は長生きするの。何も興味がない人は長生きできないのよ」
「長生きできない? でもここは不老不死だって聞きましたけど」
「そう、表向きはね。でもね、退屈負けしてそのうち枯れちゃう人が殆どなの」
「枯れる?」
「そう、枯れちゃうの」

    続く







ツバメ


 珍しく鳥のアップです。
近くの小型のスーパーの軒先にツバメが巣を作っています。毎年のようです。店主がツバメを守っているとのことです。いまどきツバメの巣を見るなんて珍しいです。近くの小さい川は立ち入り禁止ですのでツバメにとってそれが好都合なのかもしれません。

今は抱卵している段階のように思えます。


ツバメ(燕)  古名 つばくらめ    ツバメ科 ツバメ属

ツバメ 2015 5 28 004 b

防犯カメラに巣作りしています。上手ですね。落ちないんですね。
雄か雌かが卵を温めていてもう一羽が傍で休んでいます。
しかしツバメを見ているとほとんど休まずしょっちゅう動いていて働き者だなぁと思います。






アップして

ツバメ 2015 5 28 012 アップ a

のど、あご、ひたいが赤茶色ですね。目が小さいし、少々可愛くない。目つきがあまりよろしくないようで。  ただ僕が写真を撮っているので警戒しているせいもあるかもしれませんが。


中学のときの国語の教科書に斉藤茂吉の次の歌が載っていたと記憶しています

   のど赤き玄鳥(ツバクラメ)ふたつ屋梁(ハリ)にゐて足乳根(タラチネ)の母は死にたまふなり

昔の農家の出入り口(土間)の上の梁にはよくツバメが巣を作っていました。
上の歌ではツバメと茂吉の母の逝去とは直接関係ないですが、生命力のあるツバメと我が母の死を対比させているのかもしれません。





頭かくして尻隠さず

ツバメ 2015 5 28 006 d


上2枚とは同じ店ですが別の巣です(追記)。
ツバメの巣は泥と枯れ草とを混ぜていて丈夫そうです。

また昔(僕の子供の頃:追記)の話になりますが、たいがいの民家の室内の壁は土壁でした。壁用の土とイネわらを混ぜて水で練って竹格子に塗りつけていたのです。その上から白い化粧用の塗料が塗られていたように思います。年が経るにしたがってひびが入ったり柱との間に隙間ができたりしましたが保温性とか除湿性とかに優れていたのかもしれませんね。なお僕のブログでは「昔」とか「以前」とか「かって」などというフレーズが頻繁に出てきます。悪しからず・・・。





プロフィール

ゆたか

Author:ゆたか
「ゆたかのブログ 2」へようこそ!
72歳 男 浜松市在住
病身なので更新は時々です。
なお植物の写真を載せていますがとにかく素人なので植物の名前は正確とは言えません。
小説も書くこともあります。
よろしくお願いいたします。

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