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「新しい生活」   その28

           その28

「あ、おねぇちゃん、ずるいよ。おばさんは三つずつって言ったじゃないの」
「もう、かわいくないなぁ。わかったわよ。三つだろ。ほら、これでいい?」
「うん」
「このエビ大きいね」
「ほんと、おいしそう」

父親が台所に戻ってきた。
「ビール出しましようか?」
「あ、いいなぁ、お願いします」
「500の缶でいいですよね」
「えぇ、すみません」

「これでもういいかな。いだたきますにしましょうか」
とおばさんが言った。
「いただきま~す」
「うまい!」
父親がおいしそうに缶ビールを飲む。
「お姉さんも一緒にどうですか」
「ありがとう、じゃ私も少しだけ。でももうそろそろ帰らなきゃ」
「え~、まだいいでしょう?もっといてよ」
と妹が甘えるように言う
「旦那さんが帰ってくるから。うちの食事の支度これからなの」
「そう?つまんない」

「じゃ、これでね。みんなゆっくり食べてね」
「ありがとう」
「ありがとうございました」
「いえいえ、じゃ~ね」

父親がおばさんを「お姉さん」って言ってたなぁ。ということは、・・・そうかぁ、川上さんのお姉さんなんだ。そうなんだ。そう言えばおばさんと川上さんはなんとなく似ているところがあるようだな。

おばさんが玄関に向かう。父親が送りにいく。

川上さんは画面を玄関に切り替えた。

「今日もどうもありがとう」
「いいえ、輝夫さん大変だもの」
「いつも食事とか子供の世話までしてもらって」
「いいのよ、いいのよ」

父親が唐突に靴を履こうとするおばさんの手を取って抱き寄せようとする。おばさんはそんないきなりの父親の行動にびっくりする。
「子供たちに気づかれたらいけないから」
とおばさんは言って、その手をやさしく振りほどいた。
「また明日来ますから。ね。・・・おやすみなさい」
父親はばつが悪そうにしながらも
「おやすみなさい」
と言った。

           つづく
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Author:ゆたか
「ゆたかのブログ 2」へようこそ!
72歳 男 浜松市在住
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なお植物の写真を載せていますがとにかく素人なので植物の名前は正確とは言えません。
小説も書くこともあります。
よろしくお願いいたします。

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