小説 「ちょっとした遠足」    その2


          その2

その晩、食事の後お母さんがお父さんに言った。
「お父さん、正樹が話があるんだって」
「なんだろう、珍しいね」
「あのね、遠足行きたい」
「遠足って、今学校は夏休みだろ」
「学校で行くんじゃなくて。子供たちで行くんだ」
「ふん、子供たちで? 子供たちだけっていうことか?」
「そう」
「うーん。どこへ」
「坂之上公園」
「坂之上公園か。かなり遠くでもないか。何人で?」
「8人」
「結構多いね。ま、いいんじゃないか。子供たちだけというのにちょっとひっかかるけどなぁ」
「そうですよ、子供たちだけでは危ないかもしれませんよ。何かあったときに大人がいないといけないんじゃなかしら」とお母さんが言いました。
「しかし子供たちだけで行くというのも社会勉強の一つかもしれんし。いいことじゃないかな」
「お父さんは甘いのよ。他の子供さん方の親たちが何て言うかわからないでしょうし」
「そうだけどなぁ。じゃ親御さんたちのいうことを聞いてからにするか」
「じゃ、お父さんは賛成なの?反対なの?」
「うん、そうだなぁ。ま~賛成でいいんじゃないか」
「やった~!」
「もう、お父さんたら。お母さんは知らないわよ」
「お母さんは厳しいなぁ。子供たちを信用してよ」
「特に正樹たちは信用できないわよね」
お姉さんの志保さんが意地悪そうに言った。
「そんなことないよぉ、お姉さんは味方じゃないの? 信用してよぉ。大丈夫だよ」
「そうだ、子供をもっと信用してもいいのかもしれないな」
「わぁ、お父さん、話せるね。好きだなぁ」
「ま、いつも子供には何もサービスしてないからな」
「そうやって正樹の点数をかせぐんだから。お父さんはずるいわよ」とお母さんが言った。
「ずるくないよ。そんな」
お父さんは少し不快そうな顔をした。
「お父さんずるくないよね。僕が味方だからね」
「お、そうか、そうだよな、ありがとう」
「明日他のお母さんたちと話ししないと」とお母さんが言った。

           つづく
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コメント

Re: 案ずるより・・・・

> ほのぼのとした家庭が
> 想像されます・・・。
> 男の子だったら心配ないと
> 思うが・・・?
> 父親の意見に賛成です。

父親のほうが子供に甘くて母親のほうが厳しい(しつけをしなければならない)家庭が多いかもしれませんね。父親は仕事から帰ってきて精神的にも疲れていることが多くて面倒くさいことは避けがちかもしれません。しかしこれは僕の世代での家庭の様相で今どきは違うかも。

案ずるより・・・・

ほのぼのとした家庭が
想像されます・・・。
男の子だったら心配ないと
思うが・・・?
父親の意見に賛成です。
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72歳 男 浜松市在住
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