小説 「エメラルドの首飾り」  その2

          その2

ウェートレスがビールを持ってきた。一口、二口。「あぁ、冷たくてうまい。生き返る」

しばらくしてさっきのウェートレスが料理を運んできた。
「お待ちどうさまでした。カキフライ定食です。ごゆっくりどうぞ」レシートを置いて去っていった。
カキフライのいい匂いがする。おなかを空かせた達哉にはご馳走だ。フライの程度が良くていい色をしている。レモン汁をかけてからジューシーなカキを口のなかで味わう。「うまいなぁ」ここのカキフライは大粒なのが5ケ出されてくる。3ケでは少なくて物足りないし7ケでは多すぎる。盛り合わせのキャベツの千切りがたくさん添えてあってこれもうれしい。キャベツには達哉の好みのタルタルソースがかけてある。
仕事の疲れを忘れさせてくれる。

今日は仕事の進み具合が思ったより少し良かったせいもあってのんびりできる。食べ終えてからなにもせずぼぉーっとしていた。いい気分だ。
ウェートレスがやってきて「お下げしてよろしいでしょうか」「うん」「コーヒー頼みます」「はい」

コーヒーを飲みながら駅の売店で買ったタブロイドの夕刊を読む。相変わらずイギリス王室のダイアナ妃のことが大きな記事で出ている。パパラッチが撮った彼女の写真も載っている。理性的で賢いイギリス国民と思われているけども結局あんまり変わらないレベルなんだなぁと思う。いいかげんそっとしてやればいいのにね。

時々顔を上げて窓の外を見る。歩道を家路を急ぐ人が横切る。通りは狭いけれど車が通る。通勤用の車か出迎えの車か。その向こうにブティックの洒落たショーウインドーに明るく照らされたマネキンが思い思いのポーズを取ってじっとしている。当たり前だね。マネキンなんだから。思い思いのというのもおかしいか。でもそういう風に見えてしまうね。

横の席に若い女が座った。こんな店に若い女が一人で食事をするのはあまり見かけないなぁ。頭はボブカットで薄いクリーム色の半袖のブラウスを着ている。近寄ったウェートレスになにか食事を注文しているようだ。

僕は見るとはなしに観察していた。

          つづく
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コメント

かぜくささんへ

拙い小説を読んで頂いてありがとうございます。
これで少なくとも今回は「誰も読まなくてもいいや」なんて思わなくて済みます(笑)。じつは実際にファミレスで食べるときは大体カキフライにしています(これも笑)。

No title

エメラルドの首飾りと若い女性、どんな関係性で小説は進むのかな・・と楽しみになりました♪
またカキフライがとても美味しそうでした!
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ゆたか

Author:ゆたか
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72歳 男 浜松市在住
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なお植物の写真を載せていますがとにかく素人なので植物の名前は正確とは言えません。
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