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小説 「エメラルドの首飾り」  その5

         その5

「え-と、あのぉ、なんとお呼びすればよかったかな」
「え? あ、ごめんなさい。私『庄司、庄司麻里』と言います」
「しょうじさん・・・」
「江戸時代なんかの庄屋ってありましたよね、その『庄』に相撲の行司の『し(司)』で庄司です」
「あぁ、わかります。庄司さん。僕は・・・僕のほうが先に名乗らなければならなかったですね。失礼しました。柿沼といいます。柿沼達哉です。よろしく」
「こちらこそ、よろしくね。それで何か仰りかけておられたけど?」
「えぇ。そのぉ、貴女の首飾り、見事ですね」
「あぁ、これ? えぇ、母から貰ったものです」
「お母さんから・・・。う~~~ん」
「母は病気で亡くなったのですけど、母が亡くなる少し前に『これ私の形見。大事にしてね』って」
「あぁ、そうなんですか。驚いたなぁ」

「実はですね。僕もほとんど同じものを持っているんです」
「ほとんど同じもの?」
「えぇ、たぶん並べても見分けがつかない程だと思います」
「あなたが首飾りを?」
「正しくは亡くなった僕の妻のものですけどね」
「亡くなられた・・・」
「はい、事故で。そしてその首飾りは妻の母親の形見なんですよ」
「え~~~っ! お母様の形見!」
「それで二度びっくりです。ほとんど同じ首飾り、そしてそれがそれぞれの母親の形見」
「ほんと、それはもうびっくりですねぇ。偶然すぎるぐらい偶然です・・・」
「ちょっと不安にもなります。夢かもしれないとか」
「夢ではないですよね」
「夢ではないです」

「あの、知り合ったばかりなのにあつかましいようですけど・・・」
「なんでしょうか」
「あなたがお持ちの首飾りをぜひ見たいと思うのですけど。ずうずうしい女とお思いになるでしょうけど」
「いや、そんな風にはぜんぜん思いません。ぜひどうぞ。僕も貴女に見ていただきたいな、と」
「あら、そうなんですか。ほんとぅに?」
「もちろんです。こういうときに嘘をつくこともありませんから」
「嬉しい。ありがとうございます」
「そうとなれば、いつにしましようか。今度の日曜日とか。急ですみませんが」
「いえ。こんどの日曜日はあいていますから」
「じゃ、そうしましよう。善は急げって言いますから。あれ、この場合この言い方は当たっているかな(笑)」

          つづく
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コメント

かぜくささんへ

これから涼しくなって体調のほうも上向きになると期待しています。
小説かぜくささんのご期待どおりになればいいのですけど・・・。
小説って書き始めるとこちらの思惑どおりにならないことがあって、自分でも確かではありません^^;

パソコンは僕もあまりよく知らなくてなんとなくこなしているというレベルですよ。

No title

少しお元気になられたようで、小説の先も楽しみです。おもしろくなりそうですね(^^)
体調が悪いのは辛いですね。
パソコンのことは自分では全く分からないので、ゆたかさんはすごいなと思います。
非公開コメント

プロフィール

ゆたか

Author:ゆたか
「ゆたかのブログ 2」へようこそ!
72歳 男 浜松市在住
病身なので更新は時々です。
なお植物の写真を載せていますがとにかく素人なので植物の名前は正確とは言えません。
小説も書くこともあります。
よろしくお願いいたします。

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